香川県高松市を中心とした「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(以下、インターハイ)」の大会5日目が終わりました。 夏の男女ファイナリストは、以下の通りになりました。
【女子 決勝カード】 京都精華学園高等学校 (京都府) vs 大阪薫英女学院高等学校 (大阪府)
【男子 決勝カード】 福岡第一高等学校 (福岡県) vs 開志国際高等学校 (新潟県)
女子の京都精華学園は、明日、インターハイとして初めての決勝戦に臨みます。昨年度のインターハイでは準決勝で、ウインターカップでは決勝戦で、それぞれ跳ね返された桜花学園(愛知)を3回戦で破って、その勢いを駆っての決勝進出です。
ゲームをコントロールするのは2年生ポイントガードの#11堀内桜花選手。準決勝、81-39で快勝した八雲学園(東京)戦では、ネックバックパス(首の後ろを通すパス)を繰り出すなど、8つのアシストを決めています。
しかし本人は自らのパフォーマンスに反省しきり。 「まだ自分らしさを出せていないところもあります。今日も攻められている時間もあったし、ミスのある時間帯もありました。明日の決勝戦も簡単に勝てる相手ではありませんし、(試合が終わった時点では、対戦相手が)どちらになるかわからないけど、今日のようなミスが出たらダメだと思います。しっかりと最後まで気を抜かずに頑張りたいです(堀内選手)」
試合直後にはわからなかった決勝戦の相手も、上記のとおり、大阪薫英女学院に決まりました。 同校とは近畿ブロック大会の決勝戦でも対戦し、そのときは74-84で敗れています。しかし当時はコンディション不良の堀内選手だけでなく、#10八木悠香選手も女子U16日本代表チームの活動中だったために出場していません。つまり下級生ながら主力メンバーである2人を欠いての近畿ブロック大会準優勝だったというわけです。この結果をどう捉えるか。
少なくともそのときの決勝戦に出られなかった堀内選手は、明日のインターハイ決勝戦に向けて、そのときの借りを返す意識を高めています。 「大阪薫英女学院は昨年のウインターカップの準決勝でも対戦しています。そのときは序盤から点差を開くことができましたが、後半になるとディフェンスに綻びが出て、追い付かれてしまった記憶あります。今年度の大阪薫英女学院もスピードと得点力のあるチームなので、まずはディフェンスを頑張りたいです。そのうえで、近畿ブロック大会のときには自分と八木がいないなか、周りの選手たちがチームを作ってファイナルまで行ってくれたので、今回は私たちがそれぞれの仕事ができるように頑張りたいと思います」
大黒柱の#4イゾジェウチェ選手の高さだけでなく、オールラウンドにプレーできる八木選手、そして多彩なプレーでチームをまとめる堀内選手が加わることで、京都精華学園の破壊力はより高まります。
インターハイの女子決勝戦で近畿勢対決となったのは1985(昭和60)年の薫英(現・大阪薫英女学院)vs樟蔭東以来、36大会ぶりのことです。その年に勝ったのは薫英高校でしたが、京都精華学園が大阪薫英女学院を上回ることができるのか。女子の頂上決戦は決して見逃せません。
一方の男子・準決勝は、昨年度、チーム史上初のインターハイを制し、今夏、連覇を狙った中部大学第一(愛知)が、74-87で開志国際(新潟)に敗れました。男子として2011(平成23)年、2012(平成24)年の延岡学園(宮崎)以来のインターハイ連覇はなりませんでした。
「私が中部大学第一に勝つとしたら、そこを突くだろうなと思うところを、やられました」 試合後、そう振り返るのは中部大学第一の常田健コーチです。 「今大会はゾーンディフェンスを使わず、マンツーマンディフェンスで乗り切りたいと考えていました。しかし、そうなったときに一番いやだったのが開志国際でした。実際、それぞれ個々のマッチアップを見たときに、(開志国際の)介川アンソニー翔選手を守り切れず、また武藤俊太朗選手にはリバウンドをつながれてしまいました」
終わってみれば、介川選手に36得点、武藤選手には5本のオフェンスリバウンドを含む10本のリバウンドを取られています。常田コーチが「こうされたくはない」と考えていたネガティブなストーリーが、そのままゲームに反映されたというわけです。
一方で、常田コーチは、個々の能力では決して開志国際に劣っていないことを認めます。だからこそ、個々の高い能力がチームの能力に昇華すれば、ウインターカップでの巻き返しも十分に可能だと考えています。 「今日ダメだったのは個々の能力をチーム力に還元できなかったことです。いい加減なオフェンスをしたあとに、いい加減なディフェンスをして相手にシュートを射抜かれる。自分がいい加減なプレーをしてチームが苦しいときに、周りに声掛けができない。自分たちで話し合わない。リーダーシップが取れない。そうしたところができるようになってきたら、彼らの力はまだ伸び代があると思っています」
74-87と、最終スコア以上の完敗を認める常田コーチですが、昨年度のインターハイ王者はここで立ち止まりません。もう一度カムバックするために、コーチも含め、全力で冬に向かいます。
四国インターハイも残すところ、明日の男女決勝戦のみ。いずれのチームにもこの夏の悔いを残さないよう、今出しうるすべてを出し切って、夏の頂へと挑んでもらいたいところです。
■令和4年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ) 開催概要
日 程 :2022年7月27日(水)~8月1日(月) ※全6日間 開催地 :香川県 高松市・丸亀市・善通寺市 試合会場: ・高松市総合体育館 (7/27~8/1開催。但し7/29・30は男子のみ) ・高松市香川総合体育館 (7/27~29開催。3日間とも女子のみ) ・丸亀市民体育館 (7/27~29開催。3日間とも女子のみ) ・善通寺市民体育館 (7/27~28開催。両日とも男子のみ)
▼応援者及び観客への対応について(重要) https://www.koukousoutai.com/2022soutai/event/index.php?xpref=2#event202
▼インハイTV https://sportsbull.jp/category/inhightv/
▼「躍動の青い力 四国総体2022 ~燃え上がれ 我らの闘志 四国の大地へ~」大会公式サイト https://www.koukousoutai.com/2022soutai/
▼一般社団法人香川県バスケットボール協会 大会特設サイト https://www.kagawabasketball.jp/interhigh/
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>>女子勝ち上がり表(7月31日終了時点) http://u18.japanbasketball.jp/wp-content/uploads/2022/08/IH2022_women_tournament_20220731.pdf